イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
「清兵衛からうちの弁護士に海斗君を推薦された時に、事務はお前にしてくれと頼まれた。わしは清兵衛との約束もあるので、茜を他へ嫁にやると申し訳ないからお前を異動させてしまった。済まないが、彼に協力してやってほしい」
話がこんがらがってる。そういうことじゃないのに。
ノックの音がして、どうぞと伯父さんが言うと扉が開いた。え?そこには高梨君がいた。
「入りたまえ」
「失礼します」
高梨君が緊張の面持ちで入ってきた。それはそうだよね。会長と社長しかいないんだもん。
私は少し席を詰めて、彼に隣を空けた。
すると私を見てニヤッと笑って隣に座った。
「せっかくの昼休みにすまなかったね。昼ご飯は食べたかい?」
「あ、はい」
「ここにあるのも食べていいからね。食べ切れそうにないからな」
伯父さんが笑った。
「高梨君。お父さんから話は聞いているかもしれないが、早見茜は私の妹の子供。つまり会長の孫であり、私の姪だ」
高梨君は私の方を見て、社長と会長を見ると、うなずいた。
「はい。驚きました。聞いてなかったんで……」