イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
私は下を向いてしまった。だって、しょうがないじゃん。言いたくなかったし。っていうか、君だって嘘ついてたじゃん。
「それでだね。縁談の話も聞いているかな?」
「……はい。父からその時に聞きました。でも聞いたのは二ヶ月前くらいです」
私は顔を上げて彼を見た。二ヶ月前?そんな前から知ってたの?どうして何も言わないんだろう。
私の責める視線に気付いたのか、苦笑いしてこちらを見た。
「ごめんな。早見が隠してるのに俺が言うのもなんだから黙ってたんだ。俺も親戚とか言ってたけど、違うしな……」
私はため息をついた。
「ふたりでこれからできれば前向きに考えてもらえると助かる。もし、茜と一緒になってくれたらこの会社を私達と一緒に支えて欲しいんだ。将来のことも含めてね」
「いちおう父からご意向は聞いていました。ただ、私達は同僚でしかないので、今すぐに結論は難しいです」
さすが、高梨君。
「高梨君の言うとおりです。急にそんなこと言われても困ります、そ、それに……」
「それになんじゃ?」