イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
 
 「いや、説明しないといけないところもあるんだ。お前わかんないだろ?」

 確かに。去年までのことなんて全く知らないもの。

 「じゃあ、お願いしてもいい?忙しかったら教えてくれたらやるよ?」

 高梨君は笑って私を見た。

 「早見はそういうところがいいんだよ。気が利くというか、優しいよな」

 は?え?何?びっくりする。そんなこと言われたことない。褒めてくれてるんだよね。素直に嬉しい。

 「はにかんでるのもいいな」

 私にしか聞こえない小さい声で言う。え、え、ど、どうしたのよ。

 私は驚いて後ろを向いてすぐに席へ戻った。クスクスと笑う彼の声が聞こえた。からかわれてる?
 今日は海斗も遅いっていうし、ここは美紀に話して相談するしかない。

 昼会えなかったので、メールして夕ご飯食べながら相談したいことがあると連絡したら、了解という犬のスタンプが返ってきた。

 内密のはなしなので、会社から離れたところにあるお店へ行く。

 おしゃれな創作居酒屋みたいな店。個室対応になっている。
 さっそく、二人で向き直ってビールで乾杯する。
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