イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
「実は半年くらい前に海斗との結婚をおじいさまに聞かれて多分しないと言ってあったの」
「まさか……別な縁談持ってきたの?」
「どうしてわかるの?美紀すごいね」
「わからない茜がすごい。まあいいや。もうひとつは何?イヤーな予感しかしない」
「……当たりだよ。相手がさ。あの、さ」
言いづらくて言いよどんでいたら、机を叩いて催促された。
「早く言って!」
「高梨君だったの」
「は?ええ?!た、高梨君って、どうして?」
「高梨君って取引先の親戚って聞いてたけど、親戚じゃなくて高梨工業の社長の息子だったの」
あ、美紀が前のめりに倒れた。
「まじ?マジなのそれ?」
「はいマジです」
「そうだったのか。どうりでいいとこの坊ちゃんみたいな雰囲気が漂っていたわけだ。剣道やってたっていうから礼儀正しいとかそういうのって剣道のせいかと思ってたけど、育ちだったんだね」
「そうだよ。だからいい人だったんだね」
美紀がすごく馬鹿にした目で見てる。
「いい人とは全く関係ないと思うんですけど……」
「そんなことないよ」