イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
「それで?高梨君はなんて言ってんの?」
それが問題なんだよ。
「高梨君は三男でうちに婿入りさせたいって言う話にすでに社長同士でなってるらしくて。高梨君も二ヶ月前に話を聞いていて、結構前向きなんだよね。どうしてなの?」
ため息しか出ない。
「海斗さんと付き合うからって断れば済むことじゃん」
「海斗が来たとき初対面のふりしちゃったんだ……もう、順番がぐちゃぐちゃだよ」
「高梨君にはきちんと言えばいいよ。わかってくれるでしょ?」
「海斗のことも、いまいち信用できない。だって女優さんと付き合ってるかもしれないの。私海斗のこと避けてたのはふたりのキスをエントランスで見たことがきっかけなんだ」
美紀はまたもや口をあんぐりと開けて、前のめりに倒れた。
「はあ?何それ?海斗さんに聞いた?」
「聞いたら怒られて、また告白されて、断ったらキスされちゃって、舞い上がってしまって……」
言ってから気付いたが遅かった。真っ赤になってうつむく。
美紀は笑い出した。
「アハハ。面白すぎる。海斗さんも大変だわ。実力行使に出たな。我慢の限界って私に言ってたもん」