イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
海斗の兄
美紀と食事をして帰ってくると、どっと疲れて急いでお風呂に入ると眠ってしまった。これぞ現実逃避。
翌日はどうしようどうしようと頭の中がそのことばかり。ミスはするし、最悪だった。
海斗からメールが来ていて、今日も忙しくて夕飯はいらないと連絡が来ていた。
何か自分の夕飯を作る元気もなく、何か買って帰ろうかなと考えながらとぼとぼと歩いていたら、後ろからクラクションを鳴らされびっくりして振り返ると、そこには車の運転席からこちらを見て手を振る海斗のお兄さんがいた。
車の中から前を指さす。ああ、側道に停めるんだと思って、そちらへ行く。
「あかちゃん、久しぶり。元気?」
サングラスをおでこに上げてこちらを見た。
海斗のお兄さんは私のことを【あかちゃん】と昔から呼ぶ。【あかね】の【ね】をとってしまって、まるで赤ちゃんみたいだからイヤだといったのに、私が赤ちゃんのとき可愛かったからとよくわかんない理由を胸を張って言い、私の意見は却下された。
あの頃から口が達者で今思えば検事って感じだった。はあ。
「健斗さん。お久しぶりです。お元気そう。相変わらずですねえ」