イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの

 「海斗があかちゃんを隣に据えて本気を見せた。許嫁として結婚前提に付き合うため隣へ呼んだんだろ?あかちゃん、避けてたからなあ。海斗嫌われたくなくてびびってたし……」

 そうだったんだ。やっぱり本当だったんだね。

 「つ、付き合うことになったけど、でも、また別な縁談をおじいさまから押しつけられて」

 「はー、なるほど。会長もあかちゃんを海斗に取られたくなくなったのか?社長の後継者問題が進んでしまって、引くに引けないんだろうな」

 「……私が悪いのかな。海斗と結婚しないかもって大分前に言っちゃったから」

 健斗さんはビールを美味しそうに飲み干した。

 「しょうがないね。その時は本当にそういう状態だったんだし。長年、許嫁なんて有名無実化してたもんな」

 「ど、どうしよう」

 健斗さんは私の方を見てふっと笑った。

 「どうしようって、あかちゃんはどうしたいの?その高梨って御曹司のこと好きなの?迷うって事は、少しはそいつに気があるんだよな?」

 「いい人だよ。仕事も出来るし。で、でも、結婚相手としては考えたことない。い、今は海斗がいるし、そ、その……」
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