イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
そう言って、首元にキスをする。びっくりしてうしろへひっくり返った。
「ククク。可愛いやつ」
「海斗。服を着て。話があるの」
私の真面目な顔に海斗は驚いて、手を止めた。そしてわかったというと、急いで着替えてこちらに来た。
「茜。嫌な予感がする。何かあった?」
「海斗……ごめんね」
「何で謝る。おい、付き合うのをやめるとか言わないよな?」
「それはない。そうじゃないの。おじいちゃんと伯父さんが高梨君と結婚しろって今日言ってきたの。高梨君は高梨工業の三男坊なんだって。うちに婿入りのはなしが進んでるって言われて」
海斗は黙っている。そして目をつむり、また開いた。
「やはりな。前に言っただろ。俺たちの結婚がないなら他を探している可能性があるって。こんな早く、しかもこのタイミング。顧問弁護士の話の前にすでに決めていて、押し切る気か?というか爺さんは何してんだ」
私は海斗の腕を握って謝った。
「ごめんなさい。その場で海斗とのこと言えなかった。高梨君に海斗と初対面のふりしてたし、私が断れば済むと思ってたの。でも……」
「でも、なんだ。まさか……」