ワケありベビーと純真ママを一途な御曹司は溢れる深愛で離さない~君のすべてを愛してる~
王子は真実を知る
(どういうことだ?)
花蓮は泣きそうになりながら教えてくれた。
ゆかりが家を飛び出した経緯、その後勤め先で好きな人を見つけ、結婚し子供が産まれたこと。
花蓮は定期的に連絡をとっていて、身重な姉の手助けをするようになっていた。
そして無事に出産し、その退院の日、家族三人を乗せた車が事故に遭い不幸にもゆかりと大樹は亡くなった。スキャンダルを避けたい早間は、ゆかりが家出したことも、子供を作っていたことも気に入らなかった。
残った子供を哀れみもせず、より自分たちに埃のたたない海外の施設に預けようとする両親に反発し、花蓮が育てることにした。
前妻の子である花蓮も気に入らなかった香は、子供も花蓮も厄介払いできるのならラッキーだと思ったのだろう。
スキャンダルを避けたい早間は、ゆかりが家出してたことも、子供を作っていたことも気に入らなかった。前妻の子である花蓮も邪魔に思っていた香は、全てを花蓮のせいにして、互いの家との断絶を約束させ昴との婚約を解消した。
「他に愛した男がいたわけではなかったんだね」
「はい」
「そして歩那は、花蓮の実の子供じゃない」
「そうです……」
歩那が養子であることは、戸籍など役場で調べればすぐにわかったことかもしれない。
しかし昴は居場所さえわかればいいから、興信所や探偵を必要以上につかうことはしなかった。
花蓮を疑っているようで憚られたし、なにより彼女の口から聞きたかった。
(花蓮が嘘をつくはずはないと、信じていたというのもある)
「ごめんなさい……。騙そうと思っていたわけではないんです。本当のことを言ったら迷惑がかかってしまうと。歩那がわたしの子だからと可愛がってくれたのに、その……」
花蓮はこの世のおわりのような顔をしているが、昴はふつふつと歓喜が湧き上がっていた。
「わたしがもっとしっかりして、昴さんに甘えたりしなければ」
悲愴な花蓮とは裏腹に、昴は涙を堪えて懺悔を繰り返す姿が可愛くてたまらなかった。
歩那が誰の血筋かなど関係ない。
花蓮が可愛がり愛している。
それが大事で、そんなふたりを昴も愛し守りたいと思うのだ。
「怒ってますよね……わたしはまた、わたしのわがままで昴さんの時間を奪いました。駄目だとわかっていても、あなたと過ごす時間をすこしでも延ばしたかったんです。浅ましいですよね。自分でも嫌気がします。どう、償えば……」
花蓮は声を震わせた。
花蓮は泣きそうになりながら教えてくれた。
ゆかりが家を飛び出した経緯、その後勤め先で好きな人を見つけ、結婚し子供が産まれたこと。
花蓮は定期的に連絡をとっていて、身重な姉の手助けをするようになっていた。
そして無事に出産し、その退院の日、家族三人を乗せた車が事故に遭い不幸にもゆかりと大樹は亡くなった。スキャンダルを避けたい早間は、ゆかりが家出したことも、子供を作っていたことも気に入らなかった。
残った子供を哀れみもせず、より自分たちに埃のたたない海外の施設に預けようとする両親に反発し、花蓮が育てることにした。
前妻の子である花蓮も気に入らなかった香は、子供も花蓮も厄介払いできるのならラッキーだと思ったのだろう。
スキャンダルを避けたい早間は、ゆかりが家出してたことも、子供を作っていたことも気に入らなかった。前妻の子である花蓮も邪魔に思っていた香は、全てを花蓮のせいにして、互いの家との断絶を約束させ昴との婚約を解消した。
「他に愛した男がいたわけではなかったんだね」
「はい」
「そして歩那は、花蓮の実の子供じゃない」
「そうです……」
歩那が養子であることは、戸籍など役場で調べればすぐにわかったことかもしれない。
しかし昴は居場所さえわかればいいから、興信所や探偵を必要以上につかうことはしなかった。
花蓮を疑っているようで憚られたし、なにより彼女の口から聞きたかった。
(花蓮が嘘をつくはずはないと、信じていたというのもある)
「ごめんなさい……。騙そうと思っていたわけではないんです。本当のことを言ったら迷惑がかかってしまうと。歩那がわたしの子だからと可愛がってくれたのに、その……」
花蓮はこの世のおわりのような顔をしているが、昴はふつふつと歓喜が湧き上がっていた。
「わたしがもっとしっかりして、昴さんに甘えたりしなければ」
悲愴な花蓮とは裏腹に、昴は涙を堪えて懺悔を繰り返す姿が可愛くてたまらなかった。
歩那が誰の血筋かなど関係ない。
花蓮が可愛がり愛している。
それが大事で、そんなふたりを昴も愛し守りたいと思うのだ。
「怒ってますよね……わたしはまた、わたしのわがままで昴さんの時間を奪いました。駄目だとわかっていても、あなたと過ごす時間をすこしでも延ばしたかったんです。浅ましいですよね。自分でも嫌気がします。どう、償えば……」
花蓮は声を震わせた。