不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−
呼び出し
風翔が連れて行かれてしまってすぐ2年A組の教室に戻ったけれど、そこではすでに風翔が鳥殺しの犯人であったと噂が広まっていた。
きっと、先生たちが風翔を探しているのを目撃した生徒が、憶測を立てて噂しているのだろう。

この手の噂はあっという間に広がってしまうし、どこからともなく信用を突き止める生徒がかならずいるものだ。
私はため息を吐きつつ自分の席に座った。
これで風翔はしばらく学校へ来ることができなくなるだろう。

いや、退学にでもなったらもう学校へ来ることはないのだ。
せっかく正広の弱みを握るチャンスだったのに、大失敗だ。

ガリッと親指の爪を噛んでどうにか苛立ちを抑える。
そして同時に思い当たることが会った。

自分の威厳のために風翔に小高さ先生も自分の手先であると伝えてしまったことだった。
思いだし、頭を抱える。

自分だけが退学になり、小高先生は学校に残るとなれば風翔はどう感じるだろうか。
小高先生の弱みを握っているくせに、どうして自分だけが学校からいなくならないといけないのだと、機嫌が悪くなったりしないだろうか。
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