不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−
それを思い出した瞬間パッと視界が開けた気がした。
もしもこの相手を手先にすることができれば、正広の弱みを握ることを再開することができる。

それに、クラス内での自分の立ち位置をガラリと変えることもできる!
そう考えて、私は優へ視線を向けた。

そう、まだちゃんと使っていないのは優の整形疑惑だった。
優の机にメモを入れて不安要素として与えたことはあるけれど、ただそれだけだ。

なにせ整形については証拠が取れていないから、簡単に脅すことができなかった。
でも、今なら……。

私はチラリと後ろの席へ視線を向けた。
そこでは涼香が机に突っ伏して目を閉じている。

眠っているようには感じられないから、1人ぼっちでいることをごまかすための狸寝入りだろう。
クラス内で一番優のことを知っていそうな涼香がこの状態だ。

優と離れてしまっている今こそ、優のことを聞き出す絶好のチャンスだった。
運が良ければ整形のことも知っているかもしれない。


「ねぇ、ちょっと」
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