不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−
「でも、私はそんなことしない。優に手伝ってほしいことがあるから」


話の方向が変わってきたことで優がとまどいの表情を浮かべる。


「手伝う? なにを?」

「正広の弱みが知りたい」


簡潔に言うと優は目を見開いて口をポカンと開けてしまった。
この話の流れでなぜ正広の名前が出てくるのかわからないからだろう。

仕方ないから私は自分の気持を優に教えることにした。
ずっと正広が好きだったこと。
今度こそ、彼氏が欲しいこと。

説明している間に優の表情はだんだんとほぐれてきて、最後には「なるほど。そういうこと」と、納得してくれた。


「優なら色々な情報を持ってるんじゃない?」

「確かに、色々な子からいろんな話を聞くからね。でも、今の所正広の弱みになるような話を聞いたことはないかな」


やっぱり、正広は学校内では完璧な人なのかもしれない。
だからこそ、私には魅力的に映ったのだけれど。


「でもまぁ、正広も人間なんだからきっと弱みくらいはあるよね」


私は頷く。
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