不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−
☆☆☆

それからの学校内は騒然としていた。
かけつけた先生が警察と救急車を呼んでふたりとも運ばれて行ったが、その後現場検証などが必要となるため2年A組に入ることが許されなくなっていた。

私達は先生らの咄嗟の判断で1階の空き教室で自習をすることになった。
自習と言っても、倉庫代わりに使われていた空き教室を掃除するところからはじめなければならないため、勉強する時間なんてない。

A組のクラスメートたちは掃除所でもなく、女子生徒の中にはずっとすすり泣いている人も多くいた。
そんな中、私は壁を背もたれにして座り込んでいる春菜に近づいた。

春菜の目にも涙が浮かんできている。
普段はあまり会話しない私たちだけれど、さっきの出来事で春菜の方から話し掛けてきてくれていたので、自然と隣に座ることができた。


「すごいことになっちゃったね」


ため息交じりに言うと春菜は小さく頷いた。


「なんで、あんなことになっちゃったんだろう」


それはきっと、引き金になったのは私だ。
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