不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−
引きつった声で訊ねると、目の前に立つ風翔がニヤリと笑って見せた。


「このメンツを見ればわかるはずだろ? 全員お前のせいで居場所を失った」


風翔の言葉に私はフンッと鼻で笑った。


「私のせい? 私は事実を公表しただけ。あんたに至っては私はほとんどなにもしてない、勝手に鳥殺しがバレただけじゃん」


思い出してもウケル。
結局風翔が退学になるのは時間の問題だったんだから、不穏ラジオは関係ない。
私の言葉に風翔の額に青筋がたった。


「少し歩こうか」


風翔がそう言うと、隣の二人が強引に歩き出す。
腕を掴まれている私はそれに従うしかなかった。

大きな悲鳴を上げて近所の人に助けを求めようとしてみたとき、脇腹になにか硬いものが押し付けられてハッと息を飲んだ。
見ると、留伊が私の脇腹にナイフを押し付けているのだ。

自分の体で周囲からナイフを隠している。
抵抗すればこのナイフの切っ先が自分の脇腹に突き立てられる。

昨日の朝、涼香と優の出来事を思い出してサッと血の気が引いていった。
あんな風になるのだけはごめんだ。


「昨日の夜、辺なラジオが聞こえてきたんだ」
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