不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−
音楽は徐々に小さくなり、やがてDJがの声が聞こえてきた。


【みなさんこんばんは! 今日もやってきました不穏ラジオのお時間です!】


それは昨日聞いた男性の声でまちがいなかった。
軽快で、元気のいい声。


【昨日の不穏ラジオを聞いてくれたみんな、盗撮を回避することはできたかな!? 今日もみんなにとって有利な情報を提供していこうと思うよ!】


このDJがは誰なのか、不穏ラジオとは一体なんなのか、どうして大谷高校2年A組の不穏要素が流れているのか。
疑問ばかりだけれど今は気にしていられない。
今日は誰のどんな話が聞けるのだろうかとドキドキしている。


【今日の不穏ラジオでも大谷高校2年A組を取り上げていくよ! う~ん、このクラスは担任だけじゃなくて生徒にも問題がありそうだねぇ】


私はその言葉にゴクリと唾を飲み込んだ。


【2年A組と言えば……ほら、いるよねぇ、あの人】


思わせぶりな言い方に私の期待は膨らんでいく。
誰のことを言っているんだろう。


【筋肉ばかりの能無し男! 中西留伊!】

留伊の名前が出た瞬間、私はベッドに座ったまま飛び上がりそうになった。
筋肉ばかりの能無しとは、いいえたものだとほくそ笑む。
このDJはかなりの毒舌らしい。
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