不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−
その中には憂鬱そうな顔をしている生徒も少なくない。
しかし、いつまで待ってみても顧問の姿は見えないまま、部活が開始されていた。
窓からそっと確認してみると、指揮を取っているのは留伊だった。

今日は顧問がいない日らしい。
それでも部活を休みにしないのは、やはり留伊の存在が大きいからだろう。
部活はごく普通に始まった。

ウォーミングアップ後、それぞれ竹刀を持って準備をする。
留伊にも特別おかしいところは見られず、後輩たちも真面目に練習に取り組んでいる。
その様子に私は首を傾げた。

昨日の不穏ラジオでは確かに留伊が後輩をイジメていると言っていた。
それも相当ひどいものだと。
でも、目の前にある光景とはそれとは異なるものだった。

もしかして昨日のラジオはデマだったんだろうか。
だとすればこうしている時間は無駄になってしまう。
もう少ししてなにもなければ帰ろう。

そう持ったときだった。
突然竹刀が床に叩きつけられる音が聞こえてきて視線を戻した。
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