不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−
☆☆☆

本当の人間のクズは留伊みたいな人間のことを言うのかもしれない。
自分の力で相手をねじ伏せて、更に攻撃を加える。
あんなやつが同じクラスだなんて考えるだけで気分が悪い。

一刻も早くどうにかしてもらうため、私はその足で職員室へと向かっていた。
どの先生に、どう説明しようか。
考えながら歩いていると目の前の廊下を小高先生が横切っていくのが見えた。
あいつはダメだ。

あんな最低盗撮野郎に伝えたところで、面倒事は無視されるに違いない。
もっと真面目で普通の先生じゃないと。
そう思ったけれど、ふと足が止まった。
視線が小高先生の後ろ姿を追いかける。

もう授業は終わっているし、小高先生は顧問も持っていないはずだ。
けれどその先にあるのは体育館へと続く渡り廊下だった。
どこへ行くんだろう?

好奇心から足が動いた。
そっと小高先生の後を追いかける。
今度も尾行することは容易かった。
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