不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−
盗撮しているところをバレた小高先生がなにをしでかすか、私には予想もつかない。
周りに人の気配はないし、大声で叫んだところで誰も来てくれはしないだろう。
近くに火災報知器でもないか素早く視線を走らせるけれど、それも見当たらない。
ふたりの間に降り注ぐ沈黙はとても長く、何時間も経過したように感じられた。
だけど実際はほんの数十秒だったに違いない。
小高先生は私を見る目を細めると「なんだお前か」と呟いて安堵の表情を浮かべたのだ。
その変化に今度は私が目を見開く番だった。
こんな決定的なシーンを目撃されても、それが私だったことで安心したのは明白だった。
私の言うことなんて誰も聞かない。
信用するはずがないと言われているようなものだった。
その瞬間、怒りにも似た感情が湧き上がってきた。
このまま小高先生を野放しにしていてはいけない。
誰が盗撮されようが知ったことではないけれど、私をバカにすることだけは許せなかった。
「なんだよ、なにか言いたそうな顔だな」
小高先生は完全に私をナメ切っているようで、特に気にする素振りも見せずに後手に女子更衣室のドアを閉めた。
「今、なにをしてたんですか」
勇気を振り絞って質問する。
それだけで声が震えてしまって、我ながら情けなくもある。
「別になにも。帰る前に点検してただけだよ」
周りに人の気配はないし、大声で叫んだところで誰も来てくれはしないだろう。
近くに火災報知器でもないか素早く視線を走らせるけれど、それも見当たらない。
ふたりの間に降り注ぐ沈黙はとても長く、何時間も経過したように感じられた。
だけど実際はほんの数十秒だったに違いない。
小高先生は私を見る目を細めると「なんだお前か」と呟いて安堵の表情を浮かべたのだ。
その変化に今度は私が目を見開く番だった。
こんな決定的なシーンを目撃されても、それが私だったことで安心したのは明白だった。
私の言うことなんて誰も聞かない。
信用するはずがないと言われているようなものだった。
その瞬間、怒りにも似た感情が湧き上がってきた。
このまま小高先生を野放しにしていてはいけない。
誰が盗撮されようが知ったことではないけれど、私をバカにすることだけは許せなかった。
「なんだよ、なにか言いたそうな顔だな」
小高先生は完全に私をナメ切っているようで、特に気にする素振りも見せずに後手に女子更衣室のドアを閉めた。
「今、なにをしてたんですか」
勇気を振り絞って質問する。
それだけで声が震えてしまって、我ながら情けなくもある。
「別になにも。帰る前に点検してただけだよ」