不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−
今、私のことを品定めしたのだ。
そう理解してカッと怒りと周知が湧き上がる。
この教師は本当に最低だ。

今すぐこの動画を拡散して、社会的に殺してやりたい!
そんな気持ちをグッと押し殺して小高先生を睨みつける。


「なんだよその目は。いつもはロクにしゃべらない陰キャのくせによぉ」


至近距離で小高先生の息がかかる。
こみ上げてくる吐き気をこらえて、私はスマホ画面を先生の眼前に突き出した。
そしてさきほど撮影した動画を再生する。
小高先生の表情はみるみる内に歪んでいき、顔色も青ざめていく。


「撮影してたのか!」


スマホを奪われそうになり、すばやくスカートのポケットに隠した。


「くそっ! その動画でなにをするつもりだ!?」

「私にそんな口を聞き方をしてもいいんですか?」


冷静な口調でそう言うと、小高先生は悔しそうに顔を歪めてうつむいた。
あの小言ばかり言っている小高先生が、今は自分の手のひらの上で踊っている。。
そう思うと背筋がゾクゾクした。

自然と笑みがこぼれて優越感が湧いてくる。


「そ、その動画をどうする……つもりですか?」


敬語を使う小高先生の声は震えていて屈辱が滲み出している。
私は大声で笑い出したい気持ちを必死に我慢して先生を見つめた。


「私の言う通りにしていればこの動画は誰にも見せません」
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