不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−
☆☆☆

トイレの水道の水で手の傷口を洗うと少しだけ染みた。
ハンカチで水分を取って絆創膏を張る。
これくらいの傷でよかった。

だけど鏡の中の自分の顔は頬が晴れてきていた。
問題はこっちの方が大きいかもしれない。
このままいればどんどん腫れてくるだろう。

私はハンカチを水で濡らして頬に当てた。
少しヒヤリとして心地いい。
本当は保冷剤を当てたいところだけれど、そうなると保健室へ行くことになってしまう。

先生にバレたら後々面倒だ。
どうせ、優がやったと言っても取り合ってくれないことも目に見えている。

先生たちの優の扱いはやはり特別なものだった。
この学校から芸能人が排出されたことなんて今まで1度もないから、できるだけ優を守ろうとしている。

どいつもこいつも、クズばっかりだ。
私は内心毒づいてトイレを出たのだった。
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