不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−
☆☆☆
優に媚を売ったような体育の事業が終わり、私は1人トイレで着替えをしていた。
小高先生の性のはけ口になるつもりは毛頭ない。
トイレの鏡で自分の顔を確認してみると、少しだけ頬が腫れてきているのがわかった。
やっぱり、濡らしたハンカチで冷やすだけだと限界があったみたいだ。
頬に触れてみると少しだけ痛みが走る。
「整形ブスのくせに」
ガリッと親指の爪を噛むと血が滲んできた。
それでも気にせずにガリガリと噛み続ける。
「麻衣子?」
トイレのドアが開くと同時に名前を呼ばれて振り向いた。
そこに立っているのは春菜だ。
春菜は心配そうな顔になってトイレ内へ入ってくる。
「どうして更衣室を使わないの?」
その質問に返事をせず、血が出てきた親指の先端を水で洗い流す。
血が排水口に流れていくのを見つめていると、ちょっとだけ心が落ち着く。
「やっぱり、優たちがいるから?」
その質問には思わず笑ってしまった。
そんなんじゃない。