不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−
☆☆☆

翌日学校へ行くと教室内が騒がしかった。
なにかあったんだろうか。

そう思っても私には質問する相手がいないので、そのまま自分の席に座る。
そして聞き耳を建ててみることにした。


「剣道部のイジメって、やっぱり留伊だったらしいな」

「かなりひどかったんだろ?」

「だから停学処分になったんだってよ」


男子たちの会話から、それらのことがわかった。
留伊が停学処分になった。

声を出して笑ってしまいそうになり、慌てて両手で自分の口を覆った。
悪いことをしていればそれがバレたときに相応のしっぺ返しがやってくるのは当然のことだ。

留伊がいない間、剣道部の後輩たちは思う存分部活を楽しむことができるだろう。
留伊が学校に戻ってきたとしても、再び剣道部で活動できるかどうかも怪しい。

成績優秀だったそうだから特別に再入部できたとしても、監視体勢は厳しいものになるはずだ。
今まで幅を聞かせていた留伊がしばらく学校に来ないとなると、私の心も軽かった。

しかし、それで不機嫌になる生徒もいる。
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