ヴァンパイアは自分の親友である妹を離さない
「月城、今日は俺らと飯食わね?」


「ごめん。今日は先客が…」


「そっかぁー。じゃあ、また今度な!」


「うん」


先客というのはもちろん嘘である。


やっと昼休み。さすがに、ここに来て2日目だから肩の力が入りまくり。授業に関しては初日だし。


夜桜先輩をお昼ご飯にでも誘ってみようかな?


夜桜先輩以外に親しい人もいないし、と思っていたけど、「女は苦手だって言ってんだろ」と突っ返されそうでやめた。


私は1人で屋上に向かった。私の通う中学校は屋上入れないからなんだか新鮮。


んー!風がきもちいい。屋上って、ひそかな人気スポットのイメージだったけど、誰もいないや。

むしろ私にとっては好都合。


「いただきます」


今日はお弁当を作る時間がなかったから、購買で焼きそばパンとクリームパンに、自販機でオレンジジュースを買った。


中学生の私はいつもママの手作りお弁当だから、なんか高校生してるって感じがして楽しい。


これで友達と一緒ならもっと盛り上がるんだろうなぁ。高校生の男の子ってどんなこと話すんだろう。


やっぱり恋バナ?それとも部活や授業のこと?

話してる内容は中学生なんかよりも大人びてて、私にはわからないような難しい会話でもしてるんだろうな。
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