ヴァンパイアは自分の親友である妹を離さない
「私、翼お兄ちゃんの代わりになれないかな」


「え?」


「私、中学生だから出席日数とか気にしなくていいし!中学生だけど、翼お兄ちゃんと身長そんなにかわんないし。それに、胸に関してはぺったんこだし!!」


自分で言ってて悲しくなってきた。 


「紫音の気持ちはすごくありがたいけど。
でも、僕の高校は…」


「とにかく、翼お兄ちゃんは自分の身体の心配だけすればいいの!私なら大丈夫。演技は幼稚園の頃に木の役とかしたし!!」


「木の役って…。ちょ、紫音!?」


私は翼お兄ちゃんの話を最後まで聞くことなく家に戻った。


「ネクタイはこんな感じかな?意外と結ぶの難しいなぁ」 


翼お兄ちゃんの制服を着た私は男の格好をするために準備中。


腰よりも長い黒髪を頭の上で1つにまとめて、っと。

翼お兄ちゃんと同じ長さのウィッグを被った。


「なかなかいい感じじゃない!?」


元々、胸がないからブラとかしてないし。

一応スポブラくらいはしてるけど。でも、怪しまれないようにサラシだけは巻いとくか。


翼お兄ちゃんは寮暮らし。同居人は優しい親友だって、いつも話してくれた。
私も会うのが楽しみ!

もしも、女だってバレても秘密にしてくれそうだし。


準備もできたし、翼お兄ちゃんの学校に向かいますか!
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