ヴァンパイアは自分の親友である妹を離さない
そして、今に至る。なんで女だとバレたかって?


季節は梅雨に突入したばかり。

そりゃあ、急に雨も降ってきたり。


傘を忘れた私は、寮の自室で着替えていた。

が、そこにタイミング悪く同居人が…。


うかつすぎ!私のバカ…。


「翼じゃねぇなら、お前は誰なんだ?返答次第では始末することになるが」


「は?へ?」


始末!?

今とても物騒な単語が聞こえたような…?


正体って、私が女であることはすでにバレてるのでは?それ以外なにがあるっていうの?


頭の中でぐるぐる考えて、ついには思考停止。


「答えなきゃ今すぐ殺すぞ」


「わ、私は月城(つきしろ)紫音(しおん)です。兄の翼お兄ちゃんがいつもお世話になってます!
答えたので殺さないでください」


「月、城?翼がよく話してた妹か」


「え…私の話を?」


「お前、中学生だろ。ガキはさっさと家に帰れ。それより翼に会わせろ」


私が中学生だってことまで知ってるの?


翼お兄ちゃん、親友さんに私の事どこまで話したんだろう?
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