ヴァンパイアは自分の親友である妹を離さない
「ほら行くぞ」


「夜桜先輩…」


そういって手をさりげなく握ってくれる。まるで本に出てくる王子様みたい。


「可愛い服も着てるし、個室でも悪くないんだが、お前はどこに行きたい?」


「朝からなにも食べてないので、とりあえずご飯が食べたいです」


「甘いものか?」


「できれば白ご飯が食べれるとこがいいです」


女の子といえば、昼間からパンケーキ!みたいなイメージがあるが、私は違う。

朝もパンよりもご飯だし。断然の白ご飯派だ。


「この近くにハンバーグの美味しい店があるからそこにするか」


「翼お兄ちゃんとよく来るとか?」


「そうだな…。学園の寮にいる奴らは大体このへんで遊んでるな。
高校生とはいっても、偏差値は高いし、そこそこ治安が良い学校だからな。変なとこでは遊ばない」


「変なとこっていうとゲーセンとか?」

「そうか。中学生の女だけだと、ゲーセンもそういうとこになるのか。興味があるなら後で行ってみるか?」


「夜桜先輩と一緒なら行ってみたいです」


「なら決まりだな」
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