ヴァンパイアは自分の親友である妹を離さない
「翼お兄ちゃん、実は……」
倒れたあと、病院に連絡してくれたのは親友さん。だけど、そこからの事情は何も知らないらしく。
元々、身体が弱いことも翼お兄ちゃんは親友さんに話していなかった。
優しい翼お兄ちゃんのことだ。親友さんに迷惑をかけたくなくて、いまの今まで黙っていたんだろう。
「翼の出席日数がギリギリなのは学校をよく休んでいたから、なんとなく察していたが、まさか進級も危ないとはな」
「そうなんです」
「だからってお前じゃ翼の代わりは無理だ。第一俺がむり」
「知らない人が同居人なんて嫌ですよね」
「そうじゃない」
「え?」
「俺は女が嫌いなんだ。
だから今すぐ俺の前から失せろ」
「そんなこと言わないでください!翼お兄ちゃんの単位が危ないんです。私が頑張らないと!!」
思わずガシッ!と、親友さんの腕を掴んでしまった。
「なら家から通えよ。大体、中学生に高校の勉強がわかるわけねぇだろ!つか離れろ!」
「ぎゃ!」
私は振り払われた衝撃でバランスを崩し、転んだ。
その拍子に右手をケガした。
倒れたあと、病院に連絡してくれたのは親友さん。だけど、そこからの事情は何も知らないらしく。
元々、身体が弱いことも翼お兄ちゃんは親友さんに話していなかった。
優しい翼お兄ちゃんのことだ。親友さんに迷惑をかけたくなくて、いまの今まで黙っていたんだろう。
「翼の出席日数がギリギリなのは学校をよく休んでいたから、なんとなく察していたが、まさか進級も危ないとはな」
「そうなんです」
「だからってお前じゃ翼の代わりは無理だ。第一俺がむり」
「知らない人が同居人なんて嫌ですよね」
「そうじゃない」
「え?」
「俺は女が嫌いなんだ。
だから今すぐ俺の前から失せろ」
「そんなこと言わないでください!翼お兄ちゃんの単位が危ないんです。私が頑張らないと!!」
思わずガシッ!と、親友さんの腕を掴んでしまった。
「なら家から通えよ。大体、中学生に高校の勉強がわかるわけねぇだろ!つか離れろ!」
「ぎゃ!」
私は振り払われた衝撃でバランスを崩し、転んだ。
その拍子に右手をケガした。