ヴァンパイアは自分の親友である妹を離さない
「人がいない場所なら、誰も見てないし、なにしてもいいよな」


「へ!?」


なんでそういうことになるの!?

私はすでにキャパオーバーで何も考えられないのに。


「キスのひとつでもするって言ったが、付き合ってもない奴にするのはダメだよな」


「えっと…」


それはそうなんだけど。

私だって、ファーストキスは好きな人としたい。けど、それは夜桜先輩も同じじゃないのかな?


「紫音、腹減らないか?」


「お昼におなかいっぱい食べたので私は寮までもちますけど」


そういえば、夜桜先輩はあんまり食べてなかったような…?


「今から糖分補給していいか?」


「いいですよ」


チョコレートでも食べるってこと?でも、なんでわざわざ私に聞くんだろ。


「いただきます」


「わ…ちょっ。夜、桜せんぱっ」


普通に食事したり可愛い服を買ってもらったりゲーセンに行ってプリクラ撮ったり、あまりにも人間らしいデートだったから忘れていた。


夜桜先輩はヴァンパイアなんだ。超絶美形ってこと以外、ただの人間みたいに見える。

私なんかよりもずっと普通で、違和感なく人間界にとけこんでる。
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