ヴァンパイアは自分の親友である妹を離さない
最終章
☆ ☆ ☆
「なんだよ、これ……」
「っ…」
いつも通りに夜桜先輩と登校したある日の朝。
今日はやたら人が集まってるなと思っていた。
私たちは掲示板に貼ってある一枚の紙から目をそらす事はできなかった。
【月城翼は病院に入院している。今現在、皆が月城翼だと思っている人物は妹の月城紫音だ。
特別な血を持つ彼女に興味があるヴァンパイアは彼女の血を一度ご賞味あれ】
「翼、とにかく今は寮に戻ってろ!」
「うん…先に戻ってるね」
「俺は紙を剥がしてから向かうから」
私が寮に戻る間、言うまでもなく男の子たちの視線がいやでも向けられることになった。
こんなことをする人は1人しか思い当たらない。
だが、その人は学園の人間に認識されないよう、何かしらの力を使い記憶を消している。
白虎先輩。どうしてこんなひどいことを…?
「君が特別な血を持つ彼女?」
「っ!」
「ヴァンパイアが学園の中にこんなに潜んでるとは思わなかったでしょ?」
しまった…。
私はヴァンパイアたちにかこまれてしまった。
寮まであと少しの距離だったのに。
こんなところで捕まるわけにはいかないのに。
「なんだよ、これ……」
「っ…」
いつも通りに夜桜先輩と登校したある日の朝。
今日はやたら人が集まってるなと思っていた。
私たちは掲示板に貼ってある一枚の紙から目をそらす事はできなかった。
【月城翼は病院に入院している。今現在、皆が月城翼だと思っている人物は妹の月城紫音だ。
特別な血を持つ彼女に興味があるヴァンパイアは彼女の血を一度ご賞味あれ】
「翼、とにかく今は寮に戻ってろ!」
「うん…先に戻ってるね」
「俺は紙を剥がしてから向かうから」
私が寮に戻る間、言うまでもなく男の子たちの視線がいやでも向けられることになった。
こんなことをする人は1人しか思い当たらない。
だが、その人は学園の人間に認識されないよう、何かしらの力を使い記憶を消している。
白虎先輩。どうしてこんなひどいことを…?
「君が特別な血を持つ彼女?」
「っ!」
「ヴァンパイアが学園の中にこんなに潜んでるとは思わなかったでしょ?」
しまった…。
私はヴァンパイアたちにかこまれてしまった。
寮まであと少しの距離だったのに。
こんなところで捕まるわけにはいかないのに。