ヴァンパイアは自分の親友である妹を離さない
「紫音っ……!お前本当に無茶苦茶だ。
あれで白虎が応じなかったら、どうするつもりだったんだ!?」


「白虎先輩も言ってたとおり、半年分の血を一気に渡すしか…」  


「それでお前が倒れたりしたら……俺は…」


「倒れるかもしれませんが、私は死にませんし」 


「そういう問題じゃねえよ。
紫音、お前はもっと自分を大事にしろ」


また抱きしめられてしまった。


震えている蒼炎先輩。

私が消えるとでも思ったのかな?


こんなので簡単に死ねたらよかったのに、ね。

なんて、蒼炎先輩に言ったら怒られてしまうだろうから黙っておこう。


「俺よりも強いヴァンパイアがお前を狙ったとしても俺はお前を守り抜くから」

 
「ありがとうございます蒼炎先輩。けど、もしかすると私は蒼炎先輩よりも強いかもしれませんよ?」


「それはそうかもな」 


「ふふっ。でも、その気持ちだけで嬉しいです。
蒼炎先輩は大丈夫ですか?お腹空いてないです?」


「あんなことがあって今からお前の血を吸ったらそれこそ倒れるだろ」


一時期にはそうだろうけど、私は蒼炎先輩が困ってるなら自身を差し出しても良いって思っちゃう。
< 66 / 68 >

この作品をシェア

pagetop