メダカなキミ。
バーーン!
急に、遠くの方で大きな音が鳴った。
二人が音のする方を見ると、屋台の上の方から花火の上の部分が見え隠れしていた。
思わず、由里と晶は顔を見合わせて笑った。
「せっかくだから、もうちょっと見えやすいとこ、行ってみよっか!」
由里はそう言って立ち上がると、イチゴ飴を握っているのとは反対の手を晶に差し出した。
「さ、一緒に行こ!」
晶は由里を見上げて柔らかく微笑むと、由里の手を取り、立ち上がった。
二人は並んで少し歩き、屋台の列が終わったあたりで立ち止まり、遠くに見える花火をしばらく眺めた。
花火はしばらくすると派手に打ち上がり始め、大きな花火が打ち上がった後、少しの間、静かになった。
次の部の花火が準備されているのだろう。