メダカなキミ。
「…由里さん、可愛すぎ。」
嬉しそうな表情のアキラは、由里の後ろに立ったまま、優しく由里の顎に手を当てると、少し持ち上げて由里の唇に自分の唇を合わせた。
チュッと言うリップ音と共に、二人の顔が離れる。
「…ごめん、由里さんが可愛すぎて、つい吸血したくなっちゃった。」
そう、実はアキラはヴァンパイアなのだ。
先日再会し、晴れて交際することとなった二人。
同棲するようになってからは特に、こうやって不意打ちでアキラが吸血してくる頻度は高くなっていた。
「もう、アキラ君!褒めても何も出ないんだからねっ!」
由里が照れ隠しでそう言うと、アキラは「照れちゃって。やっぱり由里さん可愛い〜。」と笑いながら言った。