メダカなキミ。


「由里」


「え…」


急に呼び捨てされ、由里はアキラを見上げた。
アキラも由里を見下ろしている。


「あ、呼び捨てじゃない方がよかった?由里ちゃん、とかがいい?」


アキラがそう聞いてきたので、由里は「いや、ちゃん付けは恥ずかしすぎる…」と正直に言った。


「じゃあ、由里って呼んでいい?」


アキラが由里の顔を覗き込みながら尋ねてきたので、由里はコクリと頷いた。
…頬が火照っている。


「照れちゃって。由里、ホント可愛いすぎる。早く帰って、また今日も由里の色んなトコから吸血したい。」


「…もう!こんな路上で…!」


由里はアキラを軽く叩こうと手を上げたが、アキラに手を掴まれた。
そのまま指を絡め、恋人繋ぎになる。


「ま、夜までは頑張って我慢するから。それまでに、由里さんも頑張ってアキラって呼んでね。」


そう言うと、アキラは由里を見下ろしながらニヤリと笑った。

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