メダカなキミ。
神社に近づいていくと、だんだん人が増えてきた。
地元の小さなお祭りと言いながらも、それなりの規模でもあるので、人もそれなりに集まってきているようだ。
屋台が立ち並ぶあたりに着いた頃には、18時を過ぎていたので、由里とアキラは早速夕飯を食べることにした。
「アキラ君、何食べたい?」
「そうだな…。俺、肉が入ってるのがいい。」
「なんとも、ざっくりな希望だね。」
由里が笑いながらそう言うと、アキラも少し笑い混じりに「そう?」と言ってから言葉を続けた。
「ざっくりの方が由里も決めやすいんじゃないかなと思って。」
アキラの言葉に、由里は「えー、遠慮なく希望を言っていいのにー。」とぶつくさ言いながら屋台を見回す。
「んー、じゃあとりあえず焼きそばかな!はんぶんこしよ!」
由里は目についた焼きそばの店の方へ、アキラの手を引いて向かった。