メダカなキミ。


その後、アキラは肉巻おにぎりを2つ買い、由里はイチゴ飴を1つ買うと、人混みから少し外れた階段に並んで腰掛けた。


「屋台のご飯って、外で食べるから美味しさが増すよねー!この賑やかな雰囲気も合わさって、気分上がってるから、ますます美味しく感じちゃう。」


焼きそばを食べ終わり、由里はイチゴ飴をさっそく食べ始めると、にっこりとアキラに笑いかけながらそう言った。


「そうだな。俺、こういうお祭りみたいなのって1回しか来たことないから、こういう感覚忘れてたけど。」


アキラが2個目の肉巻おにぎりをたべながらそう言ったので、由里は驚いた。


「そうなんだ!その1回って、いつ頃の話?」


由里が尋ねると、アキラは「小学生になる前くらいかな。…両親がいた頃の話。」


アキラが遠くを眺めながら、しみじみとそう言うので、由里は一瞬、何と言おうか迷った。

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