忘れられないドロップス
「ンンッ……ちょ……遥っ……」

「有桜好きだよ……しよ」

「待ってっ……」

遥と暮らし始めてからまだ十日程なのにベッドに押し倒されるのは既に三回目だ。遥から求められるのは勿論嬉しいが、夜、遥に添い寝して貰うだけでも充分だと思うのは私だけだろうか。

「何?俺、もう有桜離したくねぇんだけど」

「その、私も遥とずっと一緒にいたいよ?でも……その……あのこうゆうことは夜だけで……」

「あのさー、男は女と違って、好きな女と常にヤリたい生き物なんだけどな。そもそも我慢してたし」

「えっと……何の……我慢?」

目を丸くしている私に、遥がドロップスをカロンと鳴らすと甘いキスを落とした。

「はっきり言おうか?有桜と会えない間ずっと我慢してたからセックスしたりない」

「えっ……はる……ンンッ……ンンッ」

暫く呼吸できない程に唇を塞がれて涙目になった私を見ながら、カロンと口内から音を鳴らして意地悪く笑った。

「ドロップス甘いだろ?」

こくんと頷けば、すぐに耳元に遥の吐息がかかる。

「なぁ、いまだけお花見のこと忘れろよ。あとで連れてってやるから」

その色っぽい声に体が勝手にビクンと震えた。

「……遥……私」

「優しくするから」

遥が下唇を舌で湿らせると私の鎖骨に触れた。
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