【完結】鍵をかけた君との恋
夕ご飯までご馳走になり、私の家までの道を陸と歩く。
「なあ、またアイツら花火やってないかな?」
「この前の小学生達?どうだろう」
「ちょっと見てみよーぜ」
家まで少し遠回りになる、川沿いの道を進んだ。
先日賑やかだったその場所に人影はなし。今宵は閑散としていた。
「この前より遅いもんね。もう九時だもん」
「そっかー、そうだよなあ」
川は静かに波をうつ。陸といる時間は時に短く、時に長く感じてしまうことがある。
「今日さあ」
手すりに腕を預けて川を眺めた陸は言う。
「宿題手伝ってくれて、ありがとな」
「そんなのいいよ。毎年のことじゃん」
「そうだけどさ、普通にしてくれてたじゃん。この前俺、乃亜にフラれたばっかなのに」
ちゃぷんちゃぷんと小魚が跳ねているような音が、陸の言葉に哀愁を添えていく。
「って、こんなこと言ったらまた変な雰囲気になるよな、ごめん。だけど、これだけは言わせてよ」
ちゃぷんと、ほらまた。
「俺が乃亜のことを好きって言ったのも、諦めないって言ったのも、全部本心だから。いつかまたお前に告白したいって思ってるし、俺はお前と付き合いたい」
外方を向いたままの陸の表情は、私からは全く見えなかった。
「乃亜にとっては迷惑かもしれないけど、往生際が悪くてごめん」
でもだからこそ、私の顔も陸にはわからない。それで良かったんだ。何故なら今の私は、すごく青ざめていると思うから。
「なあ、またアイツら花火やってないかな?」
「この前の小学生達?どうだろう」
「ちょっと見てみよーぜ」
家まで少し遠回りになる、川沿いの道を進んだ。
先日賑やかだったその場所に人影はなし。今宵は閑散としていた。
「この前より遅いもんね。もう九時だもん」
「そっかー、そうだよなあ」
川は静かに波をうつ。陸といる時間は時に短く、時に長く感じてしまうことがある。
「今日さあ」
手すりに腕を預けて川を眺めた陸は言う。
「宿題手伝ってくれて、ありがとな」
「そんなのいいよ。毎年のことじゃん」
「そうだけどさ、普通にしてくれてたじゃん。この前俺、乃亜にフラれたばっかなのに」
ちゃぷんちゃぷんと小魚が跳ねているような音が、陸の言葉に哀愁を添えていく。
「って、こんなこと言ったらまた変な雰囲気になるよな、ごめん。だけど、これだけは言わせてよ」
ちゃぷんと、ほらまた。
「俺が乃亜のことを好きって言ったのも、諦めないって言ったのも、全部本心だから。いつかまたお前に告白したいって思ってるし、俺はお前と付き合いたい」
外方を向いたままの陸の表情は、私からは全く見えなかった。
「乃亜にとっては迷惑かもしれないけど、往生際が悪くてごめん」
でもだからこそ、私の顔も陸にはわからない。それで良かったんだ。何故なら今の私は、すごく青ざめていると思うから。