【完結】鍵をかけた君との恋
 次の日は、学校とバイトの両方を休んだ。朝から鳴る、携帯電話。

『乃亜おはよ!昨日はありがとねっ。後半ボーッとしてたけど、大丈夫?』

 酷い対応をしたにもかかわらず、私を心配してくれる凛花にズキンと胸が痛む。

『実は熱があって、今日は学校休むの』
『やっぱりそうだったんだ、お大事にね!』
『ありがとう』
『隣で陸も、心配してるよー』

 その瞬間、頭痛に追い風。返信する手がピタリと止まる。恋人同士のふたりが待ち合わせをして、一緒に登校することは不思議ではないとわかっている、わかっているけれど。

 溢れる涙を止めるには、一体どうしたらいいのだろう。
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