【完結】鍵をかけた君との恋
桜橋校エリアに着席した双葉と私は、パンフレットを手に出場競技を模索する。
「どれでもいいってなると迷うなあ。パン食い競争にでもしようかな。乃亜ちゃんは?」
「パンは取れる自信ないし、ハードルは倒す自信あるし、どうしよう」
「じゃあこれは?」
双葉の指の先、そこには「借り物競争」の文字。
「えー、お題が難しかったらどうすんのっ」
「でも運が良ければ勝てる競技だよ」
それもそうかと思い、運動音痴な私はそれを選んだ。伸びをしがてら辺りを見回す。
「観客増えてきたね」
「森君と乃亜ちゃんのお友達、いる?」
「うーん。これだけ人が多かったら、いても発見できないや」
二種類しかない鉢巻きの色に、体操着姿の生徒がうじゃうじゃ。陸がここを訪れたとしても、おそらく私の存在には気付かぬだろう。そう思い込めば、強張っていた心臓は幾らか解れた。
「よーいドン!」
双葉が出場したパン食い競争は、野太い声援が多かった。
「次は乃亜ちゃんだねっ。頑張って」
パンをゲットしご満悦な彼女。小さな拳を私に向ける。
「うん、行ってくるね」
パァンッと放たれた銃声と共に、ゲームは始まる。女子数人の内、ドベでお題へ辿り着き、慌てる手で開く用紙。
「え……」
そこには敗北を確信させる内容が書かれていた。
「どれでもいいってなると迷うなあ。パン食い競争にでもしようかな。乃亜ちゃんは?」
「パンは取れる自信ないし、ハードルは倒す自信あるし、どうしよう」
「じゃあこれは?」
双葉の指の先、そこには「借り物競争」の文字。
「えー、お題が難しかったらどうすんのっ」
「でも運が良ければ勝てる競技だよ」
それもそうかと思い、運動音痴な私はそれを選んだ。伸びをしがてら辺りを見回す。
「観客増えてきたね」
「森君と乃亜ちゃんのお友達、いる?」
「うーん。これだけ人が多かったら、いても発見できないや」
二種類しかない鉢巻きの色に、体操着姿の生徒がうじゃうじゃ。陸がここを訪れたとしても、おそらく私の存在には気付かぬだろう。そう思い込めば、強張っていた心臓は幾らか解れた。
「よーいドン!」
双葉が出場したパン食い競争は、野太い声援が多かった。
「次は乃亜ちゃんだねっ。頑張って」
パンをゲットしご満悦な彼女。小さな拳を私に向ける。
「うん、行ってくるね」
パァンッと放たれた銃声と共に、ゲームは始まる。女子数人の内、ドベでお題へ辿り着き、慌てる手で開く用紙。
「え……」
そこには敗北を確信させる内容が書かれていた。