【完結】鍵をかけた君との恋
「乃亜は、何曜日が空いてるの?」
校舎を出ると、勇太君は聞いた。私は頭の中のカレンダーを溯る。捲れど捲れど白いそれは、味気のない人生そのものを表していた。
「は、恥ずかしいけど、いつも暇……」
「そうなの?じゃあ、俺の塾がない日は遊ぼうよ」
「勇太君の塾は何曜日?」
「俺の行ってるとこはシフトで組んでるから、先生との都合があえば、毎日でも行けるんだ」
さすがは優等生。次元が違う。
「だから夏休み中の夕方は、ほぼ毎日授業を入れてたんだけど──」
おもむろに足を止めた彼につられて、私も立ち止まった。はにかみながら見つめられて、目のやり場に困る。
「塾じゃなくても、乃亜と一緒だって勉強はできるから。俺の固定シフトに乃亜を入れていい?」
直球に投げられたそのボールは、私の手にすとんと収まった。
素っ気ない陸のメールで呼び出されたのは、その日の夜のこと。
校舎を出ると、勇太君は聞いた。私は頭の中のカレンダーを溯る。捲れど捲れど白いそれは、味気のない人生そのものを表していた。
「は、恥ずかしいけど、いつも暇……」
「そうなの?じゃあ、俺の塾がない日は遊ぼうよ」
「勇太君の塾は何曜日?」
「俺の行ってるとこはシフトで組んでるから、先生との都合があえば、毎日でも行けるんだ」
さすがは優等生。次元が違う。
「だから夏休み中の夕方は、ほぼ毎日授業を入れてたんだけど──」
おもむろに足を止めた彼につられて、私も立ち止まった。はにかみながら見つめられて、目のやり場に困る。
「塾じゃなくても、乃亜と一緒だって勉強はできるから。俺の固定シフトに乃亜を入れていい?」
直球に投げられたそのボールは、私の手にすとんと収まった。
素っ気ない陸のメールで呼び出されたのは、その日の夜のこと。