【完結】鍵をかけた君との恋
「わっ。そのふたりで登校とか珍しっ」
人目憚らず、自転車で通学路を進む凛花。陸と私の横で速度を落とした彼女に言った。
「凛花ってばまた自転車通学っ。そろそろ見つかるよー」
「平気だって。ピャーって行けばバレないバレないっ。じゃねっ」
途端に風を切る彼女。その背中に目を奪われていると、背後から肩を叩かれた。
「乃亜っ、陸っ」
振り返ると、そこには息を切らせた勇太君がいた。
「おはよう勇太君。どうして急いでるの?まだチャイムまで余裕あるよ」
淡い色のハンカチを取り出して、額の汗を拭う彼。
「乃亜が見えたから、ついっ。今日は陸と一緒に来たんだね。俺もいい?」
そう言うと、彼は私の手を握る。陸は不快な呆れ顔。
「んだよ、朝から見せつけんなよ。俺先行くわあ」
「ちょ、陸っ」
私の声など完全無視で、陸はスタスタ行ってしまった。
「気なんて使わなくていいのにね」
そう呟いた勇太君に、私も「ね」と苦笑で返した。
人目憚らず、自転車で通学路を進む凛花。陸と私の横で速度を落とした彼女に言った。
「凛花ってばまた自転車通学っ。そろそろ見つかるよー」
「平気だって。ピャーって行けばバレないバレないっ。じゃねっ」
途端に風を切る彼女。その背中に目を奪われていると、背後から肩を叩かれた。
「乃亜っ、陸っ」
振り返ると、そこには息を切らせた勇太君がいた。
「おはよう勇太君。どうして急いでるの?まだチャイムまで余裕あるよ」
淡い色のハンカチを取り出して、額の汗を拭う彼。
「乃亜が見えたから、ついっ。今日は陸と一緒に来たんだね。俺もいい?」
そう言うと、彼は私の手を握る。陸は不快な呆れ顔。
「んだよ、朝から見せつけんなよ。俺先行くわあ」
「ちょ、陸っ」
私の声など完全無視で、陸はスタスタ行ってしまった。
「気なんて使わなくていいのにね」
そう呟いた勇太君に、私も「ね」と苦笑で返した。