冷徹御曹司は想い続けた傷心部下を激愛で囲って離さない
「せめて俺を待たせるあいだ、ほかの男を半径一メートル以内に寄せつけないでもらおうか」
「それじゃ仕事が進みません。そこは譲歩してもらえると……」
「俺がどれだけ譲歩したと思ってる。職場に恋人がいるのは気分がいい反面、気が気じゃない。業務に支障が出そうだ」
「うそ、凌士さんが業務をおざなりにするはずがありません。だいたい、心配なさらなくても誰もわたしを見てなんか……っ」
抗議の言葉は凌士の深いキスに飲みこまれた。丸ごと食べられそうな熱情を孕んだキスに、頭の中にたちまち霞がかかっていく。
力が抜けてへたりこみそうになった腰を、凌士が抱えるようにしてキスを続ける。
「最近、俺は『変わった』らしい。周りにそう言われることが増えた。間違いなくあさひのせいだ。男ひとりを変えた罪は重いぞ」
「わたしが?」
決断も実行も早いが、そのやり口は強引。御曹司であり統括部長の座にいるがゆえの、傲慢さも覗く。あさひはついていくのに必死だ。
けれど一方で、凌士の包容力とどこまでも尽きない愛情の深さに、驚かされると同時にどれだけ救われているか。
それらはどれも元から凌士に備わったものだ。あさひが変えたわけじゃない。
「まさか。きっと皆さんが、凌士さんのよい面に気づかれただけですよ」
「そうやって、俺に譲歩させる魂胆か? それなら、この先の交渉はベッドでだな」
「きゃあっ、凌士さん!」
最後に小さなリップ音を残して、あさひはひょいと抱きあげられた。
突然の浮遊感に驚き、あさひは凌士の首に腕を回す。応えるように、凌士が抱える腕にぐっと力をこめた。
体が凌士の愛しかたを思い出して、ひとりでに火照っていった。
「それじゃ仕事が進みません。そこは譲歩してもらえると……」
「俺がどれだけ譲歩したと思ってる。職場に恋人がいるのは気分がいい反面、気が気じゃない。業務に支障が出そうだ」
「うそ、凌士さんが業務をおざなりにするはずがありません。だいたい、心配なさらなくても誰もわたしを見てなんか……っ」
抗議の言葉は凌士の深いキスに飲みこまれた。丸ごと食べられそうな熱情を孕んだキスに、頭の中にたちまち霞がかかっていく。
力が抜けてへたりこみそうになった腰を、凌士が抱えるようにしてキスを続ける。
「最近、俺は『変わった』らしい。周りにそう言われることが増えた。間違いなくあさひのせいだ。男ひとりを変えた罪は重いぞ」
「わたしが?」
決断も実行も早いが、そのやり口は強引。御曹司であり統括部長の座にいるがゆえの、傲慢さも覗く。あさひはついていくのに必死だ。
けれど一方で、凌士の包容力とどこまでも尽きない愛情の深さに、驚かされると同時にどれだけ救われているか。
それらはどれも元から凌士に備わったものだ。あさひが変えたわけじゃない。
「まさか。きっと皆さんが、凌士さんのよい面に気づかれただけですよ」
「そうやって、俺に譲歩させる魂胆か? それなら、この先の交渉はベッドでだな」
「きゃあっ、凌士さん!」
最後に小さなリップ音を残して、あさひはひょいと抱きあげられた。
突然の浮遊感に驚き、あさひは凌士の首に腕を回す。応えるように、凌士が抱える腕にぐっと力をこめた。
体が凌士の愛しかたを思い出して、ひとりでに火照っていった。