【コンテスト用シナリオ】十七歳、かわいすぎる幼なじみが溺愛狼に変身しました⁉
4話 オレだけのお姫さま
〇遊園地
晴れた空。観覧車やジェットコースターなどのある賑やかな遊園地。
波留、つっちー、桂くん、胡桃、ゆいちゃんが並ぶ。
胡桃「みんな私服だとちょっとイメージ変わるよね」
ゆいちゃん「本当だぁ~」
ふたりは周囲を見渡す。
ギャルっぽい子がいたり、個性的なファッションの男子がいたり。
つっちー「だな。まぁでも、今日一番のサプライズは……」
つっちーの目が司に向く。
司の全身絵。清楚なワンピースで女の子らしい雰囲気。
誇らしげな胡桃と戸惑った表情の司。コソコソ話すふたり。
司「やっぱりおかしくないかな? みんな見てるし」
胡桃「おかしくない! 着替えたりしたら怒るからね」
みんなどよめいている。
モブ男子「あれ、古東さん? 今日は女子に見える!」
モブ男子「ていうか、すごい美人じゃない?」
つっちー「じゃあ、三班出発ね!」
ふたりで並ぶ波留と司
波留「……スカート、珍しいね」※複雑そうな表情
司「えっと、ちょっと気分転換……的な」「やっぱり変かな?」
ピアスの揺れる司の横顔にドキリとする波留。
波留(すっごいかわいい。似合う! けどさぁ)
波留はこっちを見ている様子の桂くんに気づいている。
波留「変ではないけど。司はいつもの格好のが似合うと思う」
波留(かわいい格好なんて、俺以外の男には見せないでよ)
少し拗ねた様子の波留。
司(わかってたけど、ズバリ言われると……)
どこかで波留に褒めてほしいと思っていた自分に気がつき、司はシュンとへこむ。
〇遊園地内
女子三人の会話。
ゆいちゃん「桂くん、長身で小顔だからモデルみたい~」
少し前を歩く桂くんを見ながら、ゆいちゃんは感心した表情。
胡桃「私も思った! センスいいよね」
学校では地味目な桂くんだけど、私服だとオシャレな雰囲気。ほかの女子がチラチラ見ている。
ゆいちゃん「桂くん、転入してきて結構たつのに、あんまりクラスに打ち解けてないよね」
胡桃「うんうん。ちょっと壁があるよね」「でも、今日バーンと壊しちゃおうよ」
ゆいちゃん&司「うん」
みんなで楽しく遊ぶ絵。
新しいアトラクション前に到着。
つっちー「ふたり乗りだから、またじゃんけんでペア分けね」
ゆいちゃん「つっちーと胡桃ちゃんはカップルなんだから一緒でもいいよ?」
胡桃「ダメダメ。そういう公私混同はしない主義だから、私たち!」
じゃんけんの手。
つっちー&胡桃
つっちー「お。初めてペアになれた~」胡桃「やったー!」
波留&ゆいちゃん
ゆいちゃん「綺麗に男女で別れたね。さっきは私と胡桃ちゃんだったけど」
司&桂くん の組み合わせ
つっちー「あれ。司ちゃんと桂くん、また一緒か」
さっきもペアだったふたり。
司「気が合うね」
桂くんにほほ笑みかける司。
ペアごとに並ぶ。
一番前が波留&ゆいちゃん。真ん中が胡桃カップル。最後が司たち。
桂くんは気まずそうな顔で頭をかく。
桂くん「えっと、なんかごめんね」
司「なんで謝るの?」
桂くん「いや、仲良しグループに混ぜてもらっただけの俺とずっと一緒じゃさ。古東さん、つまらないでしょ」
目を見開く司。
桂くんと仲よくしよう!と張りきっていた胡桃たちを思い出す。
司「混ぜてあげたなんて、班の誰も思ってないよ」※少し怒った顔
桂くん「いやいや、気を使わなくて大丈夫……」
司はじっと桂くんを見つめる。
司「本当だよ。みんな、桂くんと仲良くなりたいと思ってる。それだけは誤解しないで」
司の圧に桂くんはちょっとたじろぐ。
桂くん「ごめん。もしかして、怒った?」
司「怒ってはない……けど」
桂くん「え〜絶対怒ってるじゃん」「古東さんみたいな、普段穏やかな人って怒ると面倒だよね」
ボソッとぼやく桂くんにムムッとなる司。
司「面倒なのは桂くんの思考回路だと思うけど……」
互いの素が見えた気がして、思わず笑ってしまうふたり。打ち解けて楽しそうな雰囲気。
その様子を見ている波留。波留の前に並んでいる女子ふたりが司に気がつく。
女子「え、あれ司王子? わぁ~今日は美女に変身してる」
女子「隣にいる男の子、背高いね~。180近くあるかな?」
女子「王子と並んであの差だから、そのくらいありそう」
長身のふたりに見惚れる女子ふたり。
女子「なんかさ、ちょっとお似合いじゃない?」
女子「うん。オシャレで絵になってる」
身長差があって、スタイル抜群の司と桂くん。
それを眺める波留は不機嫌。
波留(たしかに桂の隣だと、司がいつも以上にかわいい気がする)(その役目は俺が果たす
予定だったのになぁ~)
思ったより伸びるのが遅い自分の身長を恨めしく思う波留。
ゆいちゃん「波留くんって、こういう乗り物得意?」
グルグル回る系のアトラクションに乗る予定。
波留「うん、たぶん平気。あ、昔は苦手だったな」
波留はゆいちゃんの微妙な顔で察する。
波留「もしかしてゆいちゃんは苦手? 空気読んで言えなかった感じ?」
ゆいちゃんを心配する波留。「乗らずに帰ろう」と言おうとするも、係の人に「次の人どうぞー」と背中を押されてしまう。
〇アトラクションに乗った司と桂くん
グルグル回りながらも、司はキョロキョロしている。
桂くん(器用だなぁ)
桂くん「どうかしたの?」
司「あ、ううん。なんでもない」
司の視線の先には波留とゆいちゃんがいる。
複雑そうにほほ笑む桂くん。
司(波留、乗り物酔いしやすいほうだけど……大丈夫かなぁ)
アトラクションをおりた司は波留を捜す。フワフワ髪に気がついて声をかける。
司「波留! 大丈夫だった?」
波留は酔ってしまったらしいゆいちゃんに肩を貸している。
ゆいちゃん「ごめん。想像よりスピードあってダメだったぁ……」※青い顔
波留「謝ることなんか、なにもないよ。俺のでよければスポドリ飲む?」
ペットボトルを差し出す波留。
ゆいちゃん「ありがと」
かっこよくゆいちゃんを助けてあげている波留の姿に、司はなんだか胸が苦しくなる。
司(守ってあげなきゃいけない存在って、私がそう思いたかっただけなのかも)
(いつまでも昔のままではいられないんだな……)
波留とのこれまでの関係が変わっていくことを寂しく思う司。ギュッと下唇を噛む。
桂くん「古東さんも酔った? 顔色悪いよ」
司「ううん、全然平気。ちょっとトイレに行ってくるから。みんなと待ってて」
司はひとりでトイレに走る。
個室から出たときに女の子ふたり組とすれ違う。彼女たちのコソコソ話が聞こえてしまう。
女子「わ。今の人、男かと思っちゃった」
女子「あ~デカいもんね。あとなんだろ? 雰囲気も」
悪気がないのはわかっているけれど、グサッと胸をえぐられた気分になる司。
司(せめて、あと5センチ小さかったらなぁ)
外に出て、自分の服に視線を落とす。揺れるスカートと華奢なサンダルが視界に入る。
司はポケットから波留にもらった指輪の箱を取り出す。
箱を開けで指輪を見る。そこに波留の顔が重なる。
波留『今からお姫さまは司。俺がナイトになるから』
司の口から乾いた笑い声が漏れる。
司(お姫さまは……きっと私には無理だよ、波留)(だから、これまでどおり波留のナイトでいさせて)
司「あれ? ここ、どこ?」
はたと立ち止まる司。先ほどのトイレ、どうやら入った入口と違う入口から出てしまったらしい。
〇司を待つみんな
胡桃「司、トイレにしては遅いね」
波留「俺、捜してくる!」
桂くん「かえってはぐれそうだし、こういうときは待ってたほうがいいんじゃないかな?」
彼の言葉を最後まで聞かずに、波留は血相を変えて走り出す。ぽかんとする桂くん。
桂くん「え……古東さん、しっかり者だしトイレくらいで?」
波留が慌てている理由がわからない桂くん。
胡桃は肩をすくめて説明する。
胡桃「完璧イケメン、司王子の唯一の欠点。壊滅的に方向音痴なの」
桂くん「えぇ? じゃ、じゃあみんなで捜したほうが」
つっちー「平気、平気。波留に任せておけば」
胡桃「普段はへらっとしてるけど、司のことになると波留は無敵のナイトに変身するから」
桂くん「そうなんだ……」
ふたりの絆を知り、複雑そうな顔をする桂くん。
晴れた空。観覧車やジェットコースターなどのある賑やかな遊園地。
波留、つっちー、桂くん、胡桃、ゆいちゃんが並ぶ。
胡桃「みんな私服だとちょっとイメージ変わるよね」
ゆいちゃん「本当だぁ~」
ふたりは周囲を見渡す。
ギャルっぽい子がいたり、個性的なファッションの男子がいたり。
つっちー「だな。まぁでも、今日一番のサプライズは……」
つっちーの目が司に向く。
司の全身絵。清楚なワンピースで女の子らしい雰囲気。
誇らしげな胡桃と戸惑った表情の司。コソコソ話すふたり。
司「やっぱりおかしくないかな? みんな見てるし」
胡桃「おかしくない! 着替えたりしたら怒るからね」
みんなどよめいている。
モブ男子「あれ、古東さん? 今日は女子に見える!」
モブ男子「ていうか、すごい美人じゃない?」
つっちー「じゃあ、三班出発ね!」
ふたりで並ぶ波留と司
波留「……スカート、珍しいね」※複雑そうな表情
司「えっと、ちょっと気分転換……的な」「やっぱり変かな?」
ピアスの揺れる司の横顔にドキリとする波留。
波留(すっごいかわいい。似合う! けどさぁ)
波留はこっちを見ている様子の桂くんに気づいている。
波留「変ではないけど。司はいつもの格好のが似合うと思う」
波留(かわいい格好なんて、俺以外の男には見せないでよ)
少し拗ねた様子の波留。
司(わかってたけど、ズバリ言われると……)
どこかで波留に褒めてほしいと思っていた自分に気がつき、司はシュンとへこむ。
〇遊園地内
女子三人の会話。
ゆいちゃん「桂くん、長身で小顔だからモデルみたい~」
少し前を歩く桂くんを見ながら、ゆいちゃんは感心した表情。
胡桃「私も思った! センスいいよね」
学校では地味目な桂くんだけど、私服だとオシャレな雰囲気。ほかの女子がチラチラ見ている。
ゆいちゃん「桂くん、転入してきて結構たつのに、あんまりクラスに打ち解けてないよね」
胡桃「うんうん。ちょっと壁があるよね」「でも、今日バーンと壊しちゃおうよ」
ゆいちゃん&司「うん」
みんなで楽しく遊ぶ絵。
新しいアトラクション前に到着。
つっちー「ふたり乗りだから、またじゃんけんでペア分けね」
ゆいちゃん「つっちーと胡桃ちゃんはカップルなんだから一緒でもいいよ?」
胡桃「ダメダメ。そういう公私混同はしない主義だから、私たち!」
じゃんけんの手。
つっちー&胡桃
つっちー「お。初めてペアになれた~」胡桃「やったー!」
波留&ゆいちゃん
ゆいちゃん「綺麗に男女で別れたね。さっきは私と胡桃ちゃんだったけど」
司&桂くん の組み合わせ
つっちー「あれ。司ちゃんと桂くん、また一緒か」
さっきもペアだったふたり。
司「気が合うね」
桂くんにほほ笑みかける司。
ペアごとに並ぶ。
一番前が波留&ゆいちゃん。真ん中が胡桃カップル。最後が司たち。
桂くんは気まずそうな顔で頭をかく。
桂くん「えっと、なんかごめんね」
司「なんで謝るの?」
桂くん「いや、仲良しグループに混ぜてもらっただけの俺とずっと一緒じゃさ。古東さん、つまらないでしょ」
目を見開く司。
桂くんと仲よくしよう!と張りきっていた胡桃たちを思い出す。
司「混ぜてあげたなんて、班の誰も思ってないよ」※少し怒った顔
桂くん「いやいや、気を使わなくて大丈夫……」
司はじっと桂くんを見つめる。
司「本当だよ。みんな、桂くんと仲良くなりたいと思ってる。それだけは誤解しないで」
司の圧に桂くんはちょっとたじろぐ。
桂くん「ごめん。もしかして、怒った?」
司「怒ってはない……けど」
桂くん「え〜絶対怒ってるじゃん」「古東さんみたいな、普段穏やかな人って怒ると面倒だよね」
ボソッとぼやく桂くんにムムッとなる司。
司「面倒なのは桂くんの思考回路だと思うけど……」
互いの素が見えた気がして、思わず笑ってしまうふたり。打ち解けて楽しそうな雰囲気。
その様子を見ている波留。波留の前に並んでいる女子ふたりが司に気がつく。
女子「え、あれ司王子? わぁ~今日は美女に変身してる」
女子「隣にいる男の子、背高いね~。180近くあるかな?」
女子「王子と並んであの差だから、そのくらいありそう」
長身のふたりに見惚れる女子ふたり。
女子「なんかさ、ちょっとお似合いじゃない?」
女子「うん。オシャレで絵になってる」
身長差があって、スタイル抜群の司と桂くん。
それを眺める波留は不機嫌。
波留(たしかに桂の隣だと、司がいつも以上にかわいい気がする)(その役目は俺が果たす
予定だったのになぁ~)
思ったより伸びるのが遅い自分の身長を恨めしく思う波留。
ゆいちゃん「波留くんって、こういう乗り物得意?」
グルグル回る系のアトラクションに乗る予定。
波留「うん、たぶん平気。あ、昔は苦手だったな」
波留はゆいちゃんの微妙な顔で察する。
波留「もしかしてゆいちゃんは苦手? 空気読んで言えなかった感じ?」
ゆいちゃんを心配する波留。「乗らずに帰ろう」と言おうとするも、係の人に「次の人どうぞー」と背中を押されてしまう。
〇アトラクションに乗った司と桂くん
グルグル回りながらも、司はキョロキョロしている。
桂くん(器用だなぁ)
桂くん「どうかしたの?」
司「あ、ううん。なんでもない」
司の視線の先には波留とゆいちゃんがいる。
複雑そうにほほ笑む桂くん。
司(波留、乗り物酔いしやすいほうだけど……大丈夫かなぁ)
アトラクションをおりた司は波留を捜す。フワフワ髪に気がついて声をかける。
司「波留! 大丈夫だった?」
波留は酔ってしまったらしいゆいちゃんに肩を貸している。
ゆいちゃん「ごめん。想像よりスピードあってダメだったぁ……」※青い顔
波留「謝ることなんか、なにもないよ。俺のでよければスポドリ飲む?」
ペットボトルを差し出す波留。
ゆいちゃん「ありがと」
かっこよくゆいちゃんを助けてあげている波留の姿に、司はなんだか胸が苦しくなる。
司(守ってあげなきゃいけない存在って、私がそう思いたかっただけなのかも)
(いつまでも昔のままではいられないんだな……)
波留とのこれまでの関係が変わっていくことを寂しく思う司。ギュッと下唇を噛む。
桂くん「古東さんも酔った? 顔色悪いよ」
司「ううん、全然平気。ちょっとトイレに行ってくるから。みんなと待ってて」
司はひとりでトイレに走る。
個室から出たときに女の子ふたり組とすれ違う。彼女たちのコソコソ話が聞こえてしまう。
女子「わ。今の人、男かと思っちゃった」
女子「あ~デカいもんね。あとなんだろ? 雰囲気も」
悪気がないのはわかっているけれど、グサッと胸をえぐられた気分になる司。
司(せめて、あと5センチ小さかったらなぁ)
外に出て、自分の服に視線を落とす。揺れるスカートと華奢なサンダルが視界に入る。
司はポケットから波留にもらった指輪の箱を取り出す。
箱を開けで指輪を見る。そこに波留の顔が重なる。
波留『今からお姫さまは司。俺がナイトになるから』
司の口から乾いた笑い声が漏れる。
司(お姫さまは……きっと私には無理だよ、波留)(だから、これまでどおり波留のナイトでいさせて)
司「あれ? ここ、どこ?」
はたと立ち止まる司。先ほどのトイレ、どうやら入った入口と違う入口から出てしまったらしい。
〇司を待つみんな
胡桃「司、トイレにしては遅いね」
波留「俺、捜してくる!」
桂くん「かえってはぐれそうだし、こういうときは待ってたほうがいいんじゃないかな?」
彼の言葉を最後まで聞かずに、波留は血相を変えて走り出す。ぽかんとする桂くん。
桂くん「え……古東さん、しっかり者だしトイレくらいで?」
波留が慌てている理由がわからない桂くん。
胡桃は肩をすくめて説明する。
胡桃「完璧イケメン、司王子の唯一の欠点。壊滅的に方向音痴なの」
桂くん「えぇ? じゃ、じゃあみんなで捜したほうが」
つっちー「平気、平気。波留に任せておけば」
胡桃「普段はへらっとしてるけど、司のことになると波留は無敵のナイトに変身するから」
桂くん「そうなんだ……」
ふたりの絆を知り、複雑そうな顔をする桂くん。