ココアラテ★~残業のあと後輩くんと甘いタイムを…~
入社して3年目。少しずつ仕事を任されるようになった。
評価されているのだろうけど、自分でも真面目でつまらない人間だって分かっている。
これが終わっても一緒に飲みに行く彼氏、いや友達さえいない。
ちゃらんぽらんな人間にはなりたく無い。
けど、もう少し可愛げがあってたまには誰かに頼って、世の中を上手に生きていきたい。
「終わった……」
静まり返るフロアに私の独り言だけが響き渡る。
腕を伸ばしてスマホの時計を見ると、すでに10時を回っていた。
もうこんな時間なんだ。
窓ガラスからどっぷりと日が暮れた黒い空が見える、と同時に長い髪を1つに束ねるだけの地味の自分の姿が目に入る。
キャラメルブラウンの筈の髪は、根本は真っ黒でなんか情けない。
そろそろ髪の毛、染めなおさなきゃ……。
大きな息を吐いて、帰り支度をはじめる。
どうせこの後は、家に帰ってシャワー浴びて寝るだけだけど。