ココアラテ★~残業のあと後輩くんと甘いタイムを…~
「先輩」
「……え?」
フロアを出ようとした時、ちょうどドアの目の前に藤原くんが立っていた。
帰ったんじゃなかったの?もしかして戻ってきてくれたとか?いや、まさか。
「はい。ふわふわミルクのココアラテ」
彼の右手には某有名コーヒー店の紙コップ。
「えーと。私、甘いの苦手なんだけど」
「えぇっ!?」
あからさまにガッカリする藤原くんの姿が目に入る。
「で、でも、飲んでみようかな。ありがとう」
「どうですか?」
「甘い……」
「甘いのがイイんですよ」
腰を折って、下からのぞき込む藤原くんがクスクスと目を細めたから驚いた。