鮮血の妖精姫は、幼馴染の恋情に気がつかない ~魔法特待の貧乏娘、公爵家嫡男に求婚されつつ、学園生活を謳歌します~
魔法特待
身なりなど二の次で、血に濡れながらも魔物を倒し続ける「鮮血のマリアベル」と、そんな彼女を気にかける幼馴染のアーロン。
二人の関係は大きく変わらないまま、マリアベルは王立学院の入学を控える年齢になっていた。
「……で、入れそうなの? 学院」
「あ、あっははあ……」
ろくな家具もないマニフィカ邸で、安い椅子に腰かけ、紅茶を口にしながらアーロンが問う。
使われている茶葉はアーロンがマリアベルに贈ったものであるため、この場ではお茶だけ高級品である。
マリアベルは、すぐに「いやー無理ですね!」とは返せず、笑ってごまかした。
1つ上のアーロンは、一足先に学園生活を始めている。
学園は、アークライト邸からさほど時間がかからず行き来できる場所にある。
そのため、彼は寮には入らず、自宅から通っていた。
引っ越す必要もなかったから、彼は学生となった今も、たびたびマリアベルに会いに来てくれる。
二人の年齢は、16歳と15歳。
それぞれ男女として成長しつつあり、マリアベルは女性らしく丸みを帯び、アーロンは身長が伸びて体つきも逞しくなっている。
まあ、彼はしっかりと服を着こんでいるため、どの程度筋肉がついているのかは、彼に触れるなり裸を見るなりしなければわからないのだが。
まだどの女性も知らない、秘密の領域である。
学院の女生徒たちは、アーロンの隠された肉体に興味津々だが、彼は女生徒のことなどろくに見ちゃいない。
彼が気にしているのは、想い人であるマリアベルが、無事に王立学院に入れるのかどうか、である。
「うーんと、その、ですね。なんとなあくお察しかとは思いますが、学費が、用意できそうになくてですね……」
マリアベルの声がしぼんでいく。
アーロンの予想通りの回答だった。
二人の関係は大きく変わらないまま、マリアベルは王立学院の入学を控える年齢になっていた。
「……で、入れそうなの? 学院」
「あ、あっははあ……」
ろくな家具もないマニフィカ邸で、安い椅子に腰かけ、紅茶を口にしながらアーロンが問う。
使われている茶葉はアーロンがマリアベルに贈ったものであるため、この場ではお茶だけ高級品である。
マリアベルは、すぐに「いやー無理ですね!」とは返せず、笑ってごまかした。
1つ上のアーロンは、一足先に学園生活を始めている。
学園は、アークライト邸からさほど時間がかからず行き来できる場所にある。
そのため、彼は寮には入らず、自宅から通っていた。
引っ越す必要もなかったから、彼は学生となった今も、たびたびマリアベルに会いに来てくれる。
二人の年齢は、16歳と15歳。
それぞれ男女として成長しつつあり、マリアベルは女性らしく丸みを帯び、アーロンは身長が伸びて体つきも逞しくなっている。
まあ、彼はしっかりと服を着こんでいるため、どの程度筋肉がついているのかは、彼に触れるなり裸を見るなりしなければわからないのだが。
まだどの女性も知らない、秘密の領域である。
学院の女生徒たちは、アーロンの隠された肉体に興味津々だが、彼は女生徒のことなどろくに見ちゃいない。
彼が気にしているのは、想い人であるマリアベルが、無事に王立学院に入れるのかどうか、である。
「うーんと、その、ですね。なんとなあくお察しかとは思いますが、学費が、用意できそうになくてですね……」
マリアベルの声がしぼんでいく。
アーロンの予想通りの回答だった。