鮮血の妖精姫は、幼馴染の恋情に気がつかない ~魔法特待の貧乏娘、公爵家嫡男に求婚されつつ、学園生活を謳歌します~

お友達と、いじめっ子と、不審者状態の幼馴染

 魔法研究会……通称魔研。
 入学2週目に魔研に入会したマリアベルの学園生活は、より充実したものとなっていた。
 授業が終わってからは、魔研の仲間たちに会いにゆき、魔法の話に花を咲かせたり、実技を披露し合ったりする。
 送迎の時間ついては、アーロンも部活動を再開したため、特に問題はない。
 彼に送り迎えをしてもらっているマリアベルとしても、アーロンが部活に復帰してくれてほっとした。
 まさか、自分のために帰宅時間を早めていただなんて、知らなかったからだ。

 1つ気になる点があるとすれば、領地の守りなのだが――。そこも、マニフィカ家や国の努力により、どうにかなっている。
 そもそも、マリアベルの入学が決定した時点で、マニフィカ領の守りが薄くなることはわかりきっていた。
 マニフィカ家には馬車などないため、本来は入学と同時に寮暮らしが始まるはずでもあり。
 マニフィカ領は、マリアベル不在の状態で領地を守れるよう、態勢を整えなおしていた。
 ソルシエ王国からも兵が派遣され、マニフィカ領は、マリアベル頼りの状態から脱しつつあった。
 ここに関しても、アーロンが、

「将来有望な彼女から、学ぶ機会を奪うべきではありません」

 と、国に直談判したからなのだが、マリアベルはその事実を知らないままだったりする。
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