鮮血の妖精姫は、幼馴染の恋情に気がつかない ~魔法特待の貧乏娘、公爵家嫡男に求婚されつつ、学園生活を謳歌します~
そんなこんなで、心配事も減り、仲間や友人もできたマリアベルは、学園生活を謳歌し始めた。
お昼休みを迎えたマリアベルは、お弁当を抱え、足取りも軽く中庭に向かう。
「コレット!」
「マリアベル様!」
マリアベルがたどり着いた先には、魔研でできた友人で、魔法特待仲間である、コレット・コルケットの姿が。
マリアベルが手を振ると、それに気が付いたコレットの表情が、ぱあっと華やぐ。
噴水前のベンチに座るコレットの傍らには、小さなバッグと水筒がおかれていた。
コレットは、平民の出身。彼女もマリアベルと同じで、学食にいくほどの余裕がないお弁当組なのだ。
二人の学年は同じだが、クラスは別。
彼女らは、魔研で出会って以来、こうして中庭で待ち合わせし、昼食をともにしている。
伯爵家のご令嬢と平民という組み合わせではあるものの、魔法特待同士、なんだか話しやすくて。
二人はすぐに、おかずやお菓子を交換し合う仲となった。
「これ、昨日とれた魔物の肉を焼いたものなんだけど……。よかったら、少し食べてみない?」
「いいんですか? お肉はあまり食べられないので嬉しいです! あの、私からは、よかったらこちらを……。昨日焼いたクッキーなのですが」
「ありがとう! コレットの作るお菓子、美味しいのよね~!」
魔物肉を入手する機会の多いマリアベルからは、肉のおかずを。
家でもよく料理をしていたというコレットからは、焼き菓子などをもらうことが多い。
女子同士できゃっきゃとする、平和で可愛らしい空間。
そんな彼女らを、少し離れた物陰から、じいっと見つめる者がいた。
マリアベルに片思いし続ける男、アーロン・アークライトである。
お昼休みを迎えたマリアベルは、お弁当を抱え、足取りも軽く中庭に向かう。
「コレット!」
「マリアベル様!」
マリアベルがたどり着いた先には、魔研でできた友人で、魔法特待仲間である、コレット・コルケットの姿が。
マリアベルが手を振ると、それに気が付いたコレットの表情が、ぱあっと華やぐ。
噴水前のベンチに座るコレットの傍らには、小さなバッグと水筒がおかれていた。
コレットは、平民の出身。彼女もマリアベルと同じで、学食にいくほどの余裕がないお弁当組なのだ。
二人の学年は同じだが、クラスは別。
彼女らは、魔研で出会って以来、こうして中庭で待ち合わせし、昼食をともにしている。
伯爵家のご令嬢と平民という組み合わせではあるものの、魔法特待同士、なんだか話しやすくて。
二人はすぐに、おかずやお菓子を交換し合う仲となった。
「これ、昨日とれた魔物の肉を焼いたものなんだけど……。よかったら、少し食べてみない?」
「いいんですか? お肉はあまり食べられないので嬉しいです! あの、私からは、よかったらこちらを……。昨日焼いたクッキーなのですが」
「ありがとう! コレットの作るお菓子、美味しいのよね~!」
魔物肉を入手する機会の多いマリアベルからは、肉のおかずを。
家でもよく料理をしていたというコレットからは、焼き菓子などをもらうことが多い。
女子同士できゃっきゃとする、平和で可愛らしい空間。
そんな彼女らを、少し離れた物陰から、じいっと見つめる者がいた。
マリアベルに片思いし続ける男、アーロン・アークライトである。