鮮血の妖精姫は、幼馴染の恋情に気がつかない ~魔法特待の貧乏娘、公爵家嫡男に求婚されつつ、学園生活を謳歌します~
 まあとりあえず、このままお弁当仲間にはなれそうだから、昼休みはマリアベルの安全が確保されるだろう。
 
――明日は、昼休みに入ったら速攻で教室までベルを迎えに行こう。

 そんなことを思いながらも、アーロンはマリアベルとコレットとのランチの時間を楽しんだ。



 翌日、アーロンは「なにかの競技に参加中ですか?」と聞きたくなるような早歩きで、一年生の教室へと向かった。
 もちろん、昼休み突入と同時にマリアベルを迎えにいくためである。
 身体能力が高く、足も長い彼は、走ってはいなくともすぐに目的地にたどり着く。

「ベル! 今日も一緒に、おひる、を……」

 笑顔で一歩教室に入った彼が、そこで見た光景は。

「マリアベル様、一緒に学食に行きませんか?」
「魔法を教えて欲しいんだが、昼休みを少しもらえはしないだろうか。マリアベル嬢」
「実は俺も、魔研に入ろうかと思ってて……」

 そんなことを話す男たちに囲まれる、マリアベルの姿だった。
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