問題ありの義弟は、義姉に独占欲強め。
『だいじょーぶ、怖くないから、』
〝不安にさせてごめん〟って、
そう思いながら、
俺は、ギュッと羽那の手を握った。
握った瞬間は硬直していた手が、
俺の温もりを感じてか、
安心したように柔らかくなった。
羽那の後頭部を支えながら、
〝印〟が付きやすいように舐めていた、首筋。
いい感じに濡れたところで、
俺は、羽那の首筋に、
──────〝キスマーク〟を付けた。
『っ、ん、』
俺が印を付けた瞬間、
羽那から甘い声が聞こえたと同時に、
羽那の身体がびくりと震えた。
羽那から漏れた声は、
たったひと言にもなるかならいかのもの。
『っ、ん、』だけだ。
それだけなのに、俺の脳を刺激するような、
甘さを含んでいる声だった。
(もっと、欲しい............羽那の唇が欲しい)
俺はそう思った。